奄美に関する書籍を出版している『南方新社」の書籍紹介

ISBN978-4-86124-101-7 C0025

大島紬誕生秘史
重村斗志乃利著 四六判並製 230ページ
定価2100円(本体2000円+税)

伝説の紬職人を追う。

独特の風合いと緻密な柄で多くの女性を惹きつけ、有名ブランドとしてゆるぎない地位を占める大島紬。本書は、現在の大島紬の基礎を築いた伝説の紬職人にスポットを当てる。

■内容(目次より)

序  章 大英断、締機の開放
第一章 高機の開発
第二章 締機を求めて
第三章 大島紬全島へ
第四章 大島紬、全盛へ

紬研究の第一人者、渾身の労作

著者紹介

重村斗志乃利(しげむら としのり)
1950年名瀬市生まれ。1969年県立大島実業高校卒。1970年鹿児島県大島染色指導所図案科伝修生。1971年図案デザイン事務所勤務、鹿児島県知事賞その後毎年十数回受賞。1975年鹿児島県大島染色指導所機織図案研究室研究員などを経て、2004年森羅デザインスタジオを設立、現在に至る。特殊袋締め法、特殊交代締め、裾模様大島紬、筵加工法による絣擦り込み、小型手織り機など数々の技法を開発した。

ISBN4-86124-099-9 C0645

『奄美の絶滅危惧植物』


山下 弘著 A5判並製 オールカラー 158ページ
定価2000円(本体1905円+税)

世界自然遺産候補の島・奄美から

世界中で奄美の山中に数株しか発見されていないアマミコケモモ他、貴重で希少な植物たちが見せる、はかなくも可憐な姿。
■内容

ウケユリ、アマミエビネ、アマミスミレ、アマミアワゴケ、ヒメミヤマコナスビ、アマミセイシカ、ナゴラン
ほか全150種

世界が注目する幻の花々、その全貌


■著者紹介
山下 弘(やました ひろし)
1951年鹿児島県奄美大島に生まれる。1974年日本大学卒業。
日本植物分類学会会員、鹿児島県文化財保護指導委員、鹿児島県希少野生動植物保護推進員。

ISBN4-86124-091-3 C0021

『奄美の債務奴隷 ヤンチュ


名越 護著 四六判並製 302頁
定価2100円(本体2000円+税)

薩摩の植民地政策と
ヤンチュ大量発生

人口の2、3割、集落によっては5割を占めたといわれるヤンチュ(家人)。
長くタブー視されてきたその起源と実像に迫る渾身のルポルタージュ。

■内容(目次より)

プロローグ
第一章 ヤンチュのルーツ
第二章 ヤンチュの日常
第三章 豊かな衆達(しゅうた)層
第四章 島民の抵抗
第五章 ヤンチュそれぞれ
第六章 周辺地区の隷属民
第七章 苦難の解放運動

タブーに迫る
渾身のルポルタージュ

著者紹介

名越 護(なごし まもる)
1942年大島郡宇検村生勝生まれ。1965年立命館大学法学部卒。同年3月南日本新聞社入社。新聞記者。2003年3月末編集委員で定年退職。同年10月から鹿児島純心女子大学非常勤講師。講座名は「情報メディア論」。鹿児島民俗学会会員。著書に『かごしま20世紀 上・下』(共著)、『南島雑話の世界』、『政治に理想の灯を〜川崎寛治元社会党国際局長の回顧』、『薩摩漂流奇譚』。

ISBN4-86124-089-1 C3021

奄美史料集成


松下志朗編、A5判、上製本、箱入り、610ページ
定価1万8900円(本体1万8000円+税)

琉球・奄美史研究の第一級根本史料

江戸期、奄美の島々では何が起きていたのか。歴史に埋もれた過去がいま生き生きと甦る。刊行以来三十七年を経た幻の書『道之島代官記集成』が、貴重な史料「南嶋雑集」「道之嶋船賦」とともに待望の翻刻。

◎刊行に寄せて
奄美・琉球史の根本史料
弓削政己
(奄美郷土研究会)

本史料集成は奄美の喜界島から与論島までを視野に入れた根本史料集である。本書の中に収録されている「喜界嶋代官初并大嶋郷士格人躰且諸横目より重役現夫居住者等之一冊」については、作成の背景が長く不明であったが、幕末嘉永年間に、琉球へ諸外国の開国への圧力が高まった折、鹿児島藩が代官に奄美の地図作成や財政強化を命じた中から生まれたものであることが分かった。このように新しい事実が明らかにされている。このことも含め、奄美・琉球史の根本史料としての価値は不変である。

奄美を読み、描く楽しさを
高橋一郎(奄美民俗研究家)

現在学としての民俗学の側から、奄美の歴史をひもとこうとする時、まず手にする一冊が『道之島代官記集成』(1969年、福岡大学刊)だろう。支配の側の記録だからこそ、その記述の背後に人びとの暮らしを読み解くことが試される。その困難が奄美を学ぶことの醍醐味を教えてくれる。すでに高価な稀覯本になってしまった同書が、新たな史料をとともに翻刻される。今度はより多くの人が、歴史を読み取り、描き出す楽しさを味わえることになる。刊行が今から待ち遠しい。

■内容(目次より)

一、道之島代官記集成
 ・大島代官記
 ・喜界島代官記
 ・徳之嶋面繩院家蔵前録帳
 ・沖永良部島代官系圖
 ・連官史
 ・大島與人役順續記
 ・喜界嶋代官初并大嶋郷士格人躰且諸横目より重役現夫居住者等之一冊
 (仮題)
 ・與論在鹿児島役人公文綴
一、南嶋雑集
一、道之嶋船賦


2006年8月刊行、500部限定

■著者紹介
松下志朗(まつした しろう)
1933年鹿児島県生まれ。1967年九州大学大学院文学研究科中退。1986年九州大学経済学部教授、1996年福岡大学商学部教授、2003年退職。
主な著書に『近世奄美の支配と社会』(第一書房)『幕藩制社会と石高制』(塙書房)『石高制と九州の藩財政』(九州大学出版会)『近世九州の差別と周縁民衆』(海鳥社)他。
共編に『宮崎県史』(史料編 近世1〜6、宮崎県刊)『宮崎県史』(通史編 近世上・下、宮崎県刊)『都城市史』(史料編 近世1〜5、都城市刊)他。

ISBN4-86124-066-2 C1073

シリーズ鹿児島県の伝承文化1
『奄美のわらべ歌と遊びT』

     
 ─与論島・沖永良部島・徳之島編─

日高良廣・前原隆鋼著 
A5判上製 360頁 定価5040円(本体4800円+税)

おじいちゃん、おばあちゃんからの贈り物

甦る、琉球弧の民間伝承

奄美南部三島に伝わる子どもたちの遊びと歌を、
集落に足を運び、古老たちに交じり、ともに歌い遊んですくいあげた。
そして、ひとつひとつ丁寧に解読、整理し、譜面に書き起こした。
本書は、二人の研究者の、1979年にはじまる膨大な調査蒐集の集大成である。

445通りにおよぶ遊び方と歌(譜面315)を、
島口(方言)の発音と解釈、独特の旋律にも配慮して詳細に記録。

幼児教育や生涯学習のほか、今注目の「回想法」として介護予防にも取り入れたい、「懐かしい歌と遊び」の貴重な資料集です。

〔掲載曲と遊び〕

第1章 植物との遊び

バンシロー採り・バンシロヤマイヂ(知名),イチゴ採り・イチュビヤマイヂ(和泊),イチュビムティコティ(知名),イチュビグワ(天城),イチュビムール(徳之島)…
第2章 動物との遊び
ホタルとり・カンコカンコ(和泊,知名),とんぼとり・エージャー,ヤマダー,ティントゥー(和泊),ヤーマンテー(知名),マームチヨィヨィ(与論),カニエダーマ(徳之島)…
第3章 集団遊び(鬼遊び,リズム遊び)
木登り遊び・ハジギヌミヌ,タカギチヌータヤ,カーンカーン(和泊),シチャヤクンゼグヂ(知名),鬼決め遊び・ヒトリフタリ(天城),モメンザラザラ(伊仙),…
第4章 集団遊び(格闘系)
陣とり・ジントゥイ(和泊),騎馬戦・ウマオーシャ(知名)…
第5章 指遊び
手合わせ・ティオーシャ(和泊,知名),ティオシャ(与論),ティオサ(徳之島),ティオシャ(徳之島),キビルナンジバテ(知名),アオヤマゴジョから(与論,天城)…
第6章 用具を使った遊び
縄跳び・オーナミコナミ(和泊),オーハイリ(知名),ユービンヤサン(徳之島),お手玉あそび・オヒトツオトシテ(知名,徳之島),ヒトフタジョロジョロ(与論),イーツモタンタン(和泊,知名)…
第7章 手まり遊び
デーデーデーシン,エンエンアリガウンクト,チンチンデークニバー(和泊),ムチンジンジョー(和泊,知名),デーシンデーシン(和泊),イチブシナブシ(和泊,知名),エンエーンウニヌエングヤ(知名)…
第8章 土・砂・石の遊び
陣地とり・クニトイゴー(和泊),ジントゥイ(知名),小石つかみ ウチャギ(和泊),イシトゥイ(徳之島)・ケンパあそび ギッタ(和泊)…
第9章 浜・川・池の遊び
舟あそび・アマカラキューヌ(与論),川えびとり・タナガトゥイ(知名)…
第10章 生活の中での遊び
月への願かけ・トォトゥファイガナシ(和泊),トォートゥファイ,チッキュガナーセ(知名),チッキュートォートゥ(与論),歯が抜けた時・ユムヌヌファトゥ(和泊),ファーヌジブナギュン(知名),ワーファトゥ(与論)…

豊かな創造性を育む伝承遊び

著者紹介
日高良廣
(ひだか よしひろ)
1934年鹿児島市生まれ。59年鹿児島大学教育学部高等体育科を卒業,鹿児島県立隼人工業高校教諭となる。66年より鹿児島女子短期大学講師,同助教授,同教授,05年からは名誉教授を務める。
日本体育学会,日本健康心理学会,日本レジャー・レクリエーション学会所属。
著書:「かごしまの伝承文化―こどもの遊び」(共著)鹿児島県教育委員会,1978ほか

前原隆鋼
(まえはら りゅうこう)
1944年鹿児島県和泊町生まれ。67年鹿児島大学教育学部音楽科を卒業,鹿児島女子短期大学助手となる。70年より同講師,同助教授,89年からは教授となり現在に至る。
日本音楽教育学会,九州公私立大学音楽学会,日本ピアノ教育連盟所属。
論文:「沖永良部民謡の調査研究」(共著)南九州地域科学研究所報,1999‐2005ほか

ISBN4-86124-077-8 C0039

『徳之島写真集 島史しまぶみ


加川徹夫著
A4判変型、161ページ、定価4,000円(本体3,810円+税)

貴重な20世紀の記録
日本の原風景が甦る。

 昭和29年から現在まで、50年間にわたって徳之島を撮り続けた加川徹夫。その数万コマの中から310点を厳選した本書は、徳之島の貴重な記録であり、人々の心のアルバムである。

構成
1.プロローグ
 島の印象的な風景
2.闘牛
 目を剥く牛、「ワイド、ワイド」勝利の喜びに踊り狂う人、朝夕のトレーニングなど
3.神と祭り
 送り盆、ムチタボリ、イッサンサン、夏目踊り、かま祀り、浜下り、ミイバマクマシ、ユタの祀りなど
4.人と暮らし
 板付け舟、追い込み漁、シュク捕り、川エビ捕り、サトウキビの収穫、田植え、ナリ味噌作り、石垣、カヤブキ屋根、豚小屋、葬式など
5.折々の記録
 選挙、横綱朝潮関、台風の爪あと、皇太子ご夫妻、泉重千代翁、太陽国体、集団就職など

撮影地  徳之島全域
撮影期間 1954年より現在まで
特別寄稿
1.小川学夫(鹿児島純心女子短期大学教授)
2.山下欣一(鹿児島国際大学名誉教授)


永久に保存したいこの一冊

著者紹介

加川徹夫(かがわてつお)

1936年旧満州国生まれ。42年間の徳之島町役場勤務を経て97年3月に定年退職。現在、フリーカメラマン。
主な受賞/JRP「視点展」入選、南日本写真展県教育委員会賞、南日本写真展南日本新聞社賞、あまみ農美展大賞、功労表彰・鹿児島県観光連盟ほか多数。

ISBN4-86124-078-6 C0036

『村落共同体 崩壊の構造』
トカラの島じまと臥蛇島無人島への歴史


皆村武一著、四六判、221頁
定価2520円(本体2400円+税)

戦後、無数の村が消えた。

 先祖代々受け継がれてきた土地を、人々はなぜ去るのか。去らねばならなかったのか。本書は、商品貨幣経済の浸透、農漁業と賃労働、個人主義、交通・通信、高等教育の普及など、多角的に検証した。

■内容(目次より)

第1部 トカラの島じま
第1章 トカラ列島の自然と社会
第2章 歴史
第3章 文化
第4章 地域の特徴
第5章 産業・経済
第2部 臥蛇島無人島への歴史
第1章 臥蛇島の自然と社会
第2章 全島民移住計画の策定

人々はなぜ、去ったのか。

著者紹介

皆村武一(みなむら・たけいち)

1945年、沖永良部島・和泊町生まれ。1963年鹿児島大学文理学部卒。1973年3月、九州大学大学院経済学研究科博士課程単位取得後退学。1988年経済学博士。現在、鹿児島大学法文学部教授。専門分野は国際経済システム、経済発展論。主著『奄美近代経済社会論』(晃洋書房、1988年)、『戦後奄美経済社会論』(日本経済評論社、2003年)ほか。

ISBN4-86124-072-7 C0095

『追想 島尾敏雄』
奄美―沖縄―鹿児島
 


奄美・島尾敏雄研究会編 四六判上製  200ページ
定価1890円(本体1800円+税)

南島に暮らした、
その素顔の証言。



島尾敏雄は、第2次世界大戦末期の10カ月、1955年から75年までの20年間を奄美大島に暮らした。「死の棘」などの小説や「ヤポネシア論」などの概念は、南島を基軸に発想され、展開されていった。本書は、島尾を知る人々の日常の視点、43編から成る。

内容
序文 島尾ミホ
追想 島尾敏雄―43編
補記 鎮西村―あの戦争の頃
    奄美で文学を完成させた作家

■執筆者名
赤塚 嘉寛
新川 明
上松 一弘
岡本 恵徳
小川 学夫
奥 たずえ
屋崎 一
奥間 宏
川満 信一
崩中 幸一
楠田 豊春
倉井 則雄
黒川 雅代
郡山 健次郎
越間 誠
崎田 実芳
佐竹 京子
澤 佳男 
杉本 久敬
進 一男
平 三国
竹島 忠男
築島 富士夫
当田 栄昶
得岡 誠二郎
中原 兼子
仲川 文子
中村 喬次
和 秀雄
林 蘇喜男
東 秀吉
藤井 令一
藤原 俊一
本田 碩孝
前橋 松造
松 夫佐江
元野 影一
籾 とし子
求 哲次
山下 欣一
山元 末俊
よしもとばなな
渡辺 興吉

島尾敏雄20回忌を迎えて

ISBN4-86124-068-9 C0030

『奄美もの知りクイズ350問』


 蔵満逸司著  イラスト・米澤美智留、児山和世
 四六判  176ページ 定価1575円(本体1500円+税)

これであなたも
奄美博士!!

島唄、シマの料理、名所・旧跡から、知っておきたい奄美の歴史、マングローブ、アマミノクロウサギといった自然まで。
クイズで楽しみながら、どんどん広がる奄美ワールド。

内容(目次より)
第1部 地図問題編-----15問
第2部 写真問題編-----25問
第3部 〇×問題編-----60問
第4部 三択問題編-----200問
第5部 穴埋め編-------50問

■著者紹介
蔵満逸司(くらみつ いつし)
1961年11月、鹿児島県大口市生まれ。父が小学校教員だったため6歳から8歳まで奄美大島龍郷村(現・龍郷町)に住む。現在は、奄美大島名瀬小学校勤務。大和村大棚の海の見える借家に居住。著書『奄美まるごと小百科』(南方新社)『奄美食紀行』(南方新社)ほか。

クイズ制作5年。
ついに完成!!


現役・名瀬小教諭が、精魂込めて制作した選りすぐりの350問。

ISBN4-86124-064-6 C0036

和 眞一郎 著作集 奄美ほこらしゃ


和眞一郎著 奄美を語る会編  A5判上製  540ページ
定価5040円(本体4800円+税)

「奄美の文化と島差別」
ほか
主要講演録、論文、新聞連載、脚本を収録

ここに540頁の大著が刊行される。

奄美に生まれ、奄美に育った和眞一郎。
高校教師としてあらゆる差別と厳しく向き合ってきた氏は、2002年6月3日逝去した。
その後には膨大な遺稿が残されていた。
すべての子供たちが差別から解放されることを願って本書は編纂された。

内容

第一部 
同和教育講演記録集
     
(全国各地での数多くの講演記録があり、
       その一部を掲載)

第二部 つむぎ随筆(「南海日日新聞」連載)
第三部 鹿児島から(「南海日日新聞」連載)
第四部 枕流記(「南海日日新聞」連載)
第五部 その他著述集
第六部 脚本「解放に向かう奄美のほこらしゃ」
     ―ヤマトの抑圧に抗い 屈辱の歴史に負けず―

止めどもなくいろいろなことが思い出されてくる。
―――――――――――――――松下志朗
けっして他に置き換えない。
中心を外に求めない。
―――――――小栗康平


■著者紹介
和眞一郎(にぎ しんいちろう)
1935年奄美大島名瀬市生まれ。1960年國學院大學卒業後、鹿児島県立高校の教員となる。大島高校、高教組専従、鹿児島工業高校、吹上高校、鹿児島県同和教育研究協議会などを経て、1995年定年退職。この間、81年「奄美を語る会」を発足。86年度から9年間全国同和教育研究会常任委員(94年度は全同教副委員長)。98年より法務省の人権擁護委員に委嘱され子ども人権専門委員として活動を始めた矢先、病に倒れ2002年6月3日逝去。

ISBN4-86124-063-8 C0021

与論島移住史 ―ユンヌの砂―


南日本新聞社編
四六判並製 216ページ
定価1890円(本体1800円+税)


流浪する民衆の姿――。

 
与論島は、奄美群島の最も南、沖縄島の北隣に位置する。この島の住人たちは、明治の三池炭坑移住、戦争中の満州開拓と、第二の故郷づくりに悪戦苦闘した歴史をもつ。砂粒のように世の風波に動かされて、流浪する民衆の姿がそこにある。

  想像を絶する先人の苦難苦闘
     
――与論町長 南 政吾

目次より

第一章 小さな島ゆえに――移住への契機
第二章
未知の土地へ――口之津・三池移住
第三章
大陸に夢を抱いて――満州移住
第四章
ゼロからの再出発――田代入植
第五章 同郷人の戦後――果てなき島への郷愁
刊行に寄せて 南 政吾(与論町長)

執筆者紹介 
福石 忍(ふくいし しのぶ)
昭和5年10月3日生まれ。鹿児島県鹿児島郡吉田町出身。鹿児島大学文理学部卒。
昭和27年2月、南日本新聞社入社。同社編集局長を経て論説委員長在職中、平成元年10月26日逝去。詩集『遠い星』(詩稿社、1971年)、『照明技師』(花神社、1990年)。

ISBN4-86124-059-X C0021

『奄美戦後史 ─揺れる奄美、変容の諸相―


鹿児島県地方自治研究所編
四六判並製 380ページ
定価2100円(本体2000円+税)

奄美を知るための基礎資料
 
奄美の戦後史を特徴づける数々の事実がある。
奄美独立憲法草案、二島分離返還、ワトキンス文書、象のオリ、奄振、マングース、枝手久闘争、奄美市誕生、本土の奄美人……。
本書は、揺れる奄美の変容の諸相を記録する。

知られざる事実、忘れえぬ記憶

目次より


第一部 復帰問題再考
   阪神≠フ復帰運動に至る奄美出身者の慟哭
    復帰運動史の中の南二島分離問題
    「北緯三〇度」とは何だったか
    奄美群島の分離による地域の政治的再編成と政党


第二部
戦後社会の変容と奄美
   鹿児島市のシマ
    沖永良部島の戦後史から現在をみる
    奄美開発再考
    「奄美を語る会」が語ってきたもの


第三部
奄美のいまとこれから
   軍事基地問題と奄美
    復帰後の奄美の変容
    奄美市誕生の軌跡
    奄美振興開発事業と産業・財政・金融の分析
    《座談会》開発の政治と復帰運動  

執筆者紹介 
大橋愛由等(神戸奄美研究会会員)
川上忠志(沖永良部郷土研究会会員)
杉原 洋(南日本新聞記者)
黒柳保則(愛知大学等非常勤講師)
本山謙二(日本学術振興会特別研究員)
高橋孝代(放送大学等兼任講師)
桑原季雄(鹿児島大学法文学部教授)
仙田隆宜(「奄美を語る会」世話人)
丸山邦明(「喜界島の豊かな自然と平和を守る町民会議」代表)
薗 博明(環境ネットワーク奄美代表)
久岡 学(南海日日新聞記者)
皆村武一(鹿児島大学法文学部教授)
前利 潔(知名町役場勤務)
平井一臣(鹿児島大学法文学部教授)
山本一哉(鹿児島大学法文学部助教授)

ISBN4-86124-050-6 C0077

『奄美食(うまいもの)紀行』


蔵満逸司著 四六判  275ページ
定価1890円(本体1800円+税)

磯の香りと土の香り

 海の恵み、山の恵み、暮らしを律する季節の料理、母から娘へと受け継がれてきた島の心。奄美に赴任した小学校教師が、大きくて深いシマジュウリ(島料理)の世界を味わいつくす。

■目次より

第一章 季節の食卓
第二章 奄美を食べる
第三章 奄美に酔う
第四章 お店で味わう
第五章 海と市場から


島の元気は食にあり

■著者略歴
蔵満逸司(くらみつ・いつし)
1961年鹿児島県に生まれる。
1966年教員の父の転勤に伴い奄美大島龍郷町円に転居する。67年円小学校入学2年生まで在学する。81年大学を1年休学し、世界一周23カ国一人旅を実現する。86年小学校教諭になる。2002年名瀬市立名瀬小学校に赴任、現在に至る。
著書に『奄美まるごと小百科』(南方新社)がある。奄美大島大和村大棚に在住。

ISBN4-86124-026-3 C0021

『奄美学 その地平と彼方


「奄美学」刊行委員会編 A5判 上製本 620ページ
定価5040円(本体4800円+税)


琉球弧・奄美の歴史、考古、民族……
研究者27名が結集。

1974年、奄美学が初めて提唱されて以降、奄美の島々では歴史、考古、民族の地道な研究が続けられてきた。あれから30年、27名が結集し成果をまとめた。

「奄美の人が奄美を認識し自己を規定していく、奄美学を確立する時期にきている」
(1974年)


奄美学の提唱者、山下欣一博士の退職記念刊行


推薦人

赤嶺政信 琉球大学教授
石垣 繁 八重山文化研究会会長
石垣博孝 石垣市史編纂委員
小川学夫 鹿児島純心女子短期大学教授
狩俣恵一 沖縄国際大学教授
関根賢司 静岡大学人文学部教授
仲宗根將二 宮古郷土史研究会会長
波照間永吉 沖縄県立芸術大学附属研究所教授
藤井貞和 詩人
古橋信孝 武蔵大学教授

ISBN4-86124-032-8 C0039 Y2000E

『黒潮の文化誌』


日高 旺 著 四六判上製 292ページ
定価2100円(本体2000円+税)

本書は、待望の黒潮文化論である
目がうるみ、なぐさめられ、笑みがこぼれ、幸せになる
──川勝平太(国際日本文化研究センター教授)


日本の文化は、黒潮(日本海流)によって様々な影響を受けてきた。漁法、農法、祭礼や年中行事、信仰、はたまた焼酎や遊びの習俗まで。これらは今なお日本の各地に残っている。
本書は、黒潮文化を丹念に探り、海洋国日本の全体像を照らしだす。


目次より●

序  日高旺氏の黒潮文化論を称揚す──川勝平太
起章 黒潮の物語
   漁師たちが見た黒潮
   死のロード・黒潮の悲劇、など
中章 鯨の物語
   抹香鯨と背美鯨 
   「クジラ学」漫歩 
   鯨を食べる文化、など
結章 島世界の物語
   ふねの思想、ふねの呪力
   仮面をかぶる文化、文身の呪力
   黒潮沿岸の遊び、焼酎の話、など


【著者紹介】

日高 旺(ひだか・うまし)
1929年、鹿児島市出身。
1951年、南日本新聞社入社。文化部長、政経部長、論説委員会副委員長、編集局長を経て、87年に代表取締役社長に就任、95年退任。
96年より02年まで鹿児島テレビ放送代表取締役社長。
87年から現在まで鹿児島純心女子短期大学人間文化コース非常勤講師。この間、鹿児島純心女子大学国際言語文化学部非常勤講師、熊本日日新聞客員論説委員のほか、87年から95年まで日本新聞協会理事を務めた。
著書に『黒潮のフォークロア』『景にあう』(以上、未来社)、『女たちの薩摩』『薩摩の笑い』(以上、春苑堂出版)、共著に『用と美 南日本の民芸』(未来社)がある。

ISBN4-86124-033-6 C0036 Y1800E

『奄美と開発』


鹿児島大学プロジェクト「島嶼圏開発のグランドデザイン」編
四六判並製 322ページ
定価1890円(本体1800円+税)

島嶼開発の新しいコンセプトを求めて──。
 
日本復帰50年。この間、奄美で繰り広げられた巨費を投じた公共事業。
従来の手法の行き詰まりは、誰の目にも明らかであり、新たな模索が始まっている。


目次より●

第一部 シンポジウムの記録
一、総合シンポジウム「奄美研究と開発の接点」
二、研究討論会1「奄美研究の過去・現在・未来」
三、研究討論会2「島嶼圏開発をめぐる諸問題」
第二部 各論
一、農民体質と歴史的背景
二、滞在型ツーリズムと持続可能な経済発展
三、奄美、沖縄の水産業
四、赤土・サンゴ礁海浜・水循環
五、沖縄からの奄美研究
第三部 「島嶼圏開発のグランドデザイン」の目指すもの
ポスト奄振事業と新しい島嶼開発


【執筆者・パネリスト等紹介】

上田不二夫(沖縄大学法経学部教授)
叶 芳和(拓殖大学国際開発学部教授)
北村良介(鹿児島大学工学部教授)
坂田裕輔(近畿大学経済学部助教授)
迫田 昌((財)かごしま産業支援センター専務理事)
地頭薗 隆(鹿児島大学農学部助教授)
菅沼俊彦(鹿児島大学農学部教授)
薗 博明(環境ネットワーク奄美代表)
堂前亮平(久留米大学文学部教授)
西 隆一郎(鹿児島大学工学部助教授)
平井一臣(鹿児島大学法文学部教授)
前利 潔(知名町役場勤務)
皆村武一(鹿児島大学法文学部教授)
山田 誠(鹿児島大学法文学部教授)

ISBN4-86124-022-0 C0095 Y1800E

 A Variety of Stories about Ryukyuko
『琉球弧あまくま語り』


中村喬次著 四六判 250ページ
定価1890円(本体1800円+税)

もっと深く 奄美、沖縄、宮古、八重山ばなし

奄美に生まれ、新聞記者として沖縄、宮古、八重山と琉球弧の島々を渡り歩いてきた中村喬次。暮らしの中で発見した、とっておきの話の数々。

コラムの名手が贈る、目からウロコ、四季と暮らしの再発見、130話。


もくじより

正月旅はたのし
旧正のおすそ分け
カジマーイ
ああ、八重干瀬
クジラの季節
ウミガメの産卵期
牛と水牛と闘牛と
真珠館と水族館
ハタ盗りフィーバー
ハーリー異聞
トビウオの嘆き
梅雨告げ鳥
イノシシ狩り
猟犬さまざま
台風時のイルカたち
ウンテン ヘーガサ
うぐいすの笹鳴き
チンダミさまざま
かつて鳥と人は……
タカとサンシン
山学校と幻の鳥
ハブも突堤をめざす
アヤナギの死
まだらの紐
金髪のアギヤーたち
スズメバチに追われた日
スク寄りの歌
裏声と返しバチ
加計呂麻島紀行
二つの島尾文学碑

……ほか全130話


【著者紹介】
中村喬次(なかむら・きょうじ)
一九三九年、奄美大島宇検村生勝生まれ。宇検村立久志中学校卒業。南海日日新聞社を経て七二年、琉球新報記者。宮古、八重山両
支局長、出版部長などを務め九九年退職。エッセイスト。作品に小説「スク鳴り」(第22回九州芸術祭文学賞受賞)、エッセー集『南
島遡行』(海風社)など。沖縄県糸満市在住。

ISBN4-86124-000-X C0026

『島を旅する』


今村治華著 四六判並製 227ページ
定価1680円(本体1600円+税)

会社を辞めて島に向かった

鹿児島・加計呂麻島で空き家に居つく。
北海道・厚岸小島で昆布漁を手伝う。
沖縄・西表島で猪猟に同行する……。
女ひとり、思いのままに旅を続け、人々と出会う。

島で暮らしてきた人々が語るそれぞれの人生

普通に小中高を経て大学に入り、会社勤めをした一人の女性が、26歳で会社を辞めて島を旅するようになりました。本書は、その旅の記録です。
都会に暮らす女性の見た島の暮らしはとても豊かで、読者はその島を一度訪ねてみたいと思うことでしょう。

旅した島々●

鹿児島県・奄美群島 加計呂麻島
     奄美群島 奄美大島
     トカラ列島 臥蛇島
     トカラ列島 中之島
沖縄県 ・久高島
     八重山諸島 西表島
大分県 ・姫島
石川県 ・舳倉島
新潟県 ・佐渡島
北海道 ・小島

構成●
加計呂麻島のお隣さん(鹿児島県 奄美群島 加計呂麻島)
小さな島に、昆布漁で居候(北海道 小島)
無人島になった臥蛇(鹿児島県 トカラ列島 臥蛇島)
お父さんのお洒落のわけ(鹿児島県 トカラ列島 中之島)
最後のキツネ踊り(大分県 姫島)
奄美のユタ神様(鹿児島県 奄美群島 奄美大島)
ふたつの世界の久高島(沖縄県 久高島)
西表に生きる、カマイと人と(沖縄県 八重山諸島 西表島)
海は春(石川県 舳倉島)
佐渡のヘップバーン(新潟県 佐渡島)
エピローグ─研さんとお別れ─

ISBN4-86124-024-7 C0021 Y2300E

 A document of Kanato-maru, which was on the Amami route during the World War II.
『金十丸、奄美の英雄伝説』

戦火をくぐった疎開船の数奇な運命


前橋松造著 四六判上製 383ページ
定価2415円(本体2300円+税)

もう一つの奄美、沖縄海上交通史

太平洋戦争中に、四十数隻にのぼる商船が撃沈された奄美・トカラの海域。米潜水艦の追撃をかわしつづけ、不沈船伝説を打ちたてた金十丸は、戦後米軍政府に接収後も、教科書密輸事件、シージャック事件などの主役となり、人びとの英雄であり続けた。


目次より●

プロローグ トカラの海の嘆き
第一章 遠泳の夢を奪った敵潜水艦
第二章 追われて逃げた、悪夢の航海
第三章 海底に眠る商船の墓標
第四章 徳之島の岬に立って祈る
第五章 不沈船伝説と名物船長
第六章 金十丸誕生の“秘話”
第七章 昔をしのぶ“道の島”の連絡船たち
第八章 アメリカ軍政府に接収されて
第九章 前代未聞の乗っ取り事件
第十章 晴れて奄美航路に戻る
エピローグ 夢まぼろしか、「金十丸の世紀」


【著者略歴】
前橋松造(まえはし・まつぞう)
1931年、奄美大島の名瀬市生まれ。
鹿児島大学卒業後、南日本新聞社に入社。大島支社長、論説副委員長、取締役などを経て、1993年に退職。現在、鹿児島国際大学、鹿児島純心女子短期大学で非常勤講師。柳田国男の奄美での足跡を中心に研究。著書に『奄美の森に生きた人』(南方新社)がある。

ISBN4-86124-001-8 C0061

   そてつ
『蘇鉄のすべて』


榮喜久元著 四六判並製 216ページ
定価1890円(本体1800円+税)

億万年を生きる命の不思議─蘇鉄

実から生まれた味噌、しょうゆ、
幹から作った粥に菓子。
たなびくその葉は畑の肥料。
蘇鉄は南島の「天恵」だ。

琉球弧を代表する植物・蘇鉄。実は味噌や醤油、葉は貴重な肥料、幹は飢餓時の食糧となった。また一方では防風、燃料、民間薬と、様々な場面で人々を支えてきた。蘇鉄とともに生き抜いた人々の知恵や精神を伝える書。蘇鉄のすべて46編が1冊に。


構成●

・ 億万年を生きる長老
・『南島雑話』の蘇鉄
・蘇鉄をうたった民謡
・ 蘇鉄の方言
・俳諧と蘇鉄
・沖縄・奄美のソテツ地獄
・ 島の暮らしと蘇鉄
・蘇鉄の詩
・救荒食品としての蘇鉄
・ 蘇鉄の妖精
・肥料にした蘇鉄葉
・蘇鉄の巨木
・ 蘇鉄の精虫
・『農務帳』と蘇鉄
・蘇鉄の民間薬と漢方薬

ISBN4-931376-98-3 C0026

『奄美まるごと小百科』

奄美をもっと楽しむ146項目


蔵満逸司著 四六判 287ページ
定価1890円(本体1800円+税)

心動かされる奄美世界の全て

元ちとせを生んだ奄美の唄と祭りの世界。伊勢エビ汁、山羊汁、アバス汁などの海・山の幸。マリンリゾートとは一味違う素潜り漁、夜の「イザリ」。はたまた、おすすめ本、CD、誰も知らないお土産まで、ガイドブックが書かない魅力を満載。


目次より●

第一章 奄美の食べ物
第二章 奄美の海
第三章 奄美の唄と祭り
第四章 奄美を知る、愉しむ
第五章 奄美の島々探訪
第六章 沖縄から奄美を見る 
第七章 奄美関係おすすめ本+写真集+おすすめCD+お土産
付 録 奄美への道

ISBN4-931376-99-1 C0095

『本郷かまとさん、長寿の日常』


真弓智恵子著 四六判上製 158ページ
定価1890円(本体1800円+税)
本郷かまとさん。1887年、奄美群島徳之島生まれ。3つの世紀を生き抜いてきた、世界最高齢のスーパーウーマン。
在宅介護21年目、旺盛な食欲、車いすの散歩、手踊りなど明るくおおらかな日常に迫る。長寿を支える奄美の食事も取材。

目次より●

第1部 元気で長生き――老老介護を乗り切る秘訣
第2部 家族リレー――長男から三女へ、そしてひ孫へ
第3部 厳しい現実――介護保険見直しの中で
第4部 古里の記憶――長寿の島、徳之島伊仙町
第5部 いのちの力――食べる、座る、歌う
付 録 長寿を支える食の秘密

ISBN4-931376-93-2 C0021

『奄美返還と日米関係』

戦後アメリカの奄美・沖縄占領とアジア戦略


ロバート・D・エルドリッヂ著 四六判上製 333ページ
定価3780円(本体3600円+税)
知られざるアメリカの決定過程

1953年12月25日、奄美群島は日本に復帰した。
なぜアメリカは、沖縄に先行して奄美を返還したのか。アメリカの軍事占領と放棄、日本の再軍備、復帰運動、国務省と統合参謀本部の確執……。浮き彫りになるのはアメリカの現在につながるアジア戦略である。
気鋭の国際政治学者が大量の外交機密文書を精査し、返還の構図を初めて明らかにする。

目次より●

第一章 返還前の米国の奄美・沖縄政策
第二章 奄美復帰運動
第三章 日本政府と「奄美・沖縄問題」
第四章 アイゼンハワー政権と奄美返還の決定
第五章 日米の交渉と「奄美返還協定」
付録1 奄美返還協定・1953年12月24日調印
付録2 協定に伴う日米合同委員会の秘密議事録・1953年12月23日
付録3 日米安全保障条約・1951年9月8日調印
付録4 日米行政協定・1952年2月28日調印
付録5 日米行政協定に関する交換公文・1952年2月28日交換

ISBN4-931376-97-5 C0026

『南へ。沖縄・奄美にいってみる』


鹿子狂之介編著 A5判上製 302ページ 発売/南方新社 発行/えあ社
定価2800円(本体2667円+税)
中年からの旅の極意

サトウキビが島の風景をつくり、毒蛇ハブが人々を脅かす。この沖縄・奄美の島々にもう一歩深く踏み込めば、いつしか島の空気に体が溶け出し、島に酔う快感を覚えることができるのである。

目次より●

第一章 中年オジさん二人組 旅に行く
    ・沖縄本島 団体ツアー客ウォッチング旅
    ・奄美大島サタヤめぐりフムフム旅
第二章 南の島の風土を語る黒糖とハブ
    ・砂糖がつくる南の島の風景
    ・ハブが語る南の島の風土
第三章 私の旅は人との出逢い旅
    ・旅のはじめに―事前調査で楽しむ南の島の旅
    ・旅と酒―酒は人間修行の場である
    ・私の旅の記録

ISBN4-931376-82-7 C0021

『軍政下奄美の密航・密貿易』


佐竹京子著 四六判 276ページ
定価2100円(本体2000円+税)
戦後の混乱期から日本復帰までの8年あまり、奄美民衆はアメリカ軍政下におかれ、孤立した状況を余儀なくされてきた。それでも軍政府の監視をくぐり、人々は波濤を越えて日本本土を目指した。命を賭して彼らが求めたものは何か。

【復帰50周年特別企画】

◆初めて分離期奄美の密航・密貿易をまとめた本◆

 元ちとせが生まれ育った島・奄美は、戦後1946年2月2日GHQによって沖縄とともに日本本土から行政分離され、1953年12月25日の日本復帰までの8年間余り、奄美民衆はアメリカの軍政下に置かれました。
 北緯30度線を境に親兄弟が離ればなれになったり、復員軍人や軍属、満州開拓団の引き揚げ者などが、故郷に帰れないという事態が生まれました。
 故郷に帰るため、あるいは本土在住の奄美出身者と連携して復帰運動を繰り広げるため、また不足しがちな生活物資を調達するため、閉ざされた30度線を越え、人々は密航・密貿易という手段を余儀なくされたのです。

 当時の状況を知る資料は乏しく、時間とともに人々の記憶からも消えつつありました。2003年復帰50周年を迎えるにあたり、奄美の戦後史に焦点を当て地道に取材を重ねてきた佐竹京子氏の成果を、この度刊行することといたしました。本書に登場する、合計77人の証言によって、当時の情景が鮮やかに甦っていきます。

 特に第1章の「密航船『宝栄丸』中之島沿岸遭難事件」は、当時の南日本新聞大島版で13人死亡と小さく報道されただけで、真相はほとんど知られていませんでした。著者の丹念な取材によって宝栄丸の航路や、乗客の実態、救助活動のほか、死者50人以上という事件の全貌が今回描き出されています。
 また、奄美の教師が子供たちのために教科書を密航して調達した事実、「日本復帰」密航陳情団の情況、密貿易が奄美経済に果たした役割など、興味深い内容も盛り込まれています。
 奄美に限らず、日本の戦後史を記録した貴重な資料となる一冊です。


構成●

第1章 密航船「宝栄丸」中之島沿岸遭難事件
第2章 金十丸と教科書密航事件
第3章 「日本復帰」密航陳情団
第4章 密航体験記、波濤を越えて
第5章 密貿易時代
    座談会「密貿易は奄美経済の担い手だった」
第6章 密貿易体験記、十二人の証言
資 料 年表でみる米軍政下時代の占領政策

ISBN4-931376-80-0 C0620

全記録 分離期・軍政下時代の奄美復帰運動、文化運動


間 弘志著 A5判上製 344ページ
定価3990円(本体3800円+税)
1946年から53年までの膨大な項目を、大島支庁、軍政府、復帰協議会、本土、国会、米国、沖縄・・・、あるいは報道、文学、演劇、映画などに区分。解説も加えられた、奄美戦後史の重要基礎資料。貴重な写真も多数収録。復帰50周年特別企画。


本書の内容から●

第1部 復帰運動編
大島支庁/復帰協議会結成以前の復帰の動き/軍政府/復帰協議会/本土の復帰運動/日の丸・君が代・天皇/国会の動き/米国の動き/生活・経済/沖縄移住

第2部 文化運動編
文化全般/言論/報道〜報道全般、南海日日新聞/出版〜出版全般、「自由」、「新青年」/あかつち会/政党/文学/音楽/演劇〜演劇全般、演伎座、熱風座、沖縄の大島劇団/美術/映画〜映画全般、朝日館、中央会館/郷土研究/青年団/教育〜小中学校、高校・大学、連教組、教育行財政/農民組合・労働組合/婦人団体/官公庁/図書館・博物館・貸し本屋・書店/各種催し物・話題

ISBN4-931376-71-1 C8792

『海の道むんがたい』


白川清乃作 A4変型判 23ページ
定価1500円(本体1429円+税)
110年前、奄美・沖永良部島沖で難破したカナダ帆船リージ・C・トゥループ号。言葉が通じなくても心で交流した乗組員と島民の姿を、実話に基づいて描いた心温まる物語。

ISBN4-931376-53-3 C0093

『奄美夜話』


義 高之著 四六判 200ぺージ
定価1575円(本体1500円+税)
与湾大親、ケンムン、浄川など、奄美の伝承を、史実と重ね合わせながら軽快に描いた短編集。気軽に読めて奄美の歴史と風土がよく分かる一冊。

ISBN4-931376-48-7 C0036

『それぞれの奄美論50』

奄美21世紀への序奏


南海日日新聞社編 四六判 本文273ページ
定価1890円(本体1800円+税)
奄美の「内」と「外」50人の精鋭がいま奄美を語りだす。歴史・民俗・文化・経済・環境・教育……。奄美の未来像が浮かび上がる。

ISBN4-931376-46-0 C0023

『奄美の森に生きた人』

柳田国男が訪ねた峠の主人


前橋松造著 四六判上製 本文322ページ
定価2000円(本体1905円+税)
柳田国男がその著『海南小記』で「世に聞こえた三太郎」と評し、奄美大島を南北に分ける峠の正式な名称にもなった。シマでは数々のムンガタリ(物語)も生んでいる。伝説の主人公・畠中三太郎とは何者だったのか。奥深い森で、何を夢見ていたのか。偶然見つかった位牌から、三太郎探しの旅が始まった。その長い旅は、奄美の歴史と風土を生き生きと浮かび上がらせる。

ISBN4-931376-70-3 C0039

  写真集
『奄美 静寂と怒濤の島』

日本復帰から平成への記録


越間誠写真 A4変型判 215ページ
定価4000円(本体3810円+税)
独自の歴史と文化が注目される奄美。初の報道写真集が誕生した。日本復帰から平成まで。復興工事、集団就職、反開発運動、荒れ狂う台風、皇室・・・。奄美現代の重要記録である。前著『奄美 二十世紀の記録』は本書と対になる。

ISBN4-931376-40-1 C0039

  写真集
『奄美 二十世紀の記録』

シマの暮らし、忘れえぬ日々


越間 誠著
定価4000円(本体3810円+税)
戦後の余韻残る昭和30年代から現在まで、40年にわたって奄美を撮り続けた越間誠。5万点のネガから、200余点を厳選した写真集は、20世紀最後を飾るにふさわしい、奄美の心のアルバムである。

ISBN4-931376-32-0 C0095

『奄美、沖縄 本の旅』

南島本、とっておきの七十冊


神谷裕司著 四六判 254ページ
定価1680円(本体1600円+税)
歴史、民俗から政治、社会状況、もちろんグルメ、遊びまで、数多い南島本の中から名著を厳選し、エッセンスを紹介する。本が好き、奄美、沖縄が好きな人にはこたえられない、南島学入門の道標として格好の書。

本書で取り上げた本●「海南小記」「ひとがみな自分の家で死ねる島」「アダンの画帖 田中一村伝」「語りの海 吉本隆明」「50年目の激動」「たべる、おきなわ」「死の棘」「海辺の生と死」「月の家族」「青幻記」「山之口貘詩集」「島唄」「琉球弧の民謡入門『しまうた』流れ」「近世奄美の支配と社会」「常世論」「ヘキ地の自民党殿」「奄美の振興開発」「道の島史論」「海原の平家伝承」ほか全70冊

ISBN4-931376-08-8 C2075

『鹿児島・奄美のきれいな海辺

三十五カ所のとっておきの海辺をリポート


かくのぶえ著 A5判 171ページ
定価1575円(本体1500円+税)
海に囲まれた鹿児島・奄美。その中でもとっておきの「きれいな海辺」35カ所を実際に取材。家族で行く磯遊び、海水浴。お友だちとシュノーケリングや、釣り、キャンプ……。あなたも、自分だけの海辺を探しに出かけませんか。

目次●奄美エリア6カ所/南薩摩エリア7カ所/阿久根・出水・長島エリア5カ所/串木野・川内・甑島エリア6カ所/大隅エリア7カ所/鹿児島市近郊エリア4カ所
書   評
● 西日本新聞97・7・27「郷土の本」
 各地で自然の海岸線が減少し、それを危ぐする声をよく聞く。鹿児島県でも減少率が一昨年、全国でワースト2位とありがたくないデータがある。著者は残された鹿児島県内の海辺から多くの人々に親しまれている海辺や「とっておき」の海辺を訪ね歩いた。
 吹上浜など35カ所を選び、一つの海辺にスケッチ風の文章を2ページにまとめ、写真を見開きで使った。それぞれ地図付き。
「豊かな命の営みに触れ、自然をいつくしむこころをもう一度確かめてもらえたら」と著者。

● 南日本新聞97・8・10「書評」
 大島郡大和村の国直海岸を訪れたとき、こんな話を聞く。「山にハブがいるから開発されないのよ。奄美の自然がきれいなのは、ハブのおかげとも考えられるわね」。著者は、自然の恩恵にあずかりながら生きる人たちが大切にしてきた心の在り方、つまり自然に対する畏(い)敬の念に感じ入る。
 掲載されているのは県内全域から、とっておきのきれいな海辺、あるいは今でも多くの人に親しまれている海辺35カ所。奄美、南薩、長島、甑島、鹿児島市近郊などエリア別に、地図とともに駐車場、トイレの有無など細かく記す。
 著者自らが歩き、砂の感触を確かめ、エッセー風にまとめている。「初公開、わが家とっておき、お気に入りの海辺」は川辺郡坊津町の馬込浜。周りが緑に囲まれ穏やかで澄み切った水、小さな砂浜と大きな岩場の両方があることがお気に入りの理由らしい。「バリとかタイの海辺にいるような錯覚」に陥るそうだ。
 併せて掲載されている写真を見ていると、それがあくまで切りとられた空間にすぎず、残り少なくなった楽園であることに気づく。海辺に癒(いや)しの効用があるとするならば、海辺を失ったとき、人はどこへ行くのだろうか。

● 郷土雑誌かごしま103号「新刊紹介」
 写真と文章で今も残る美しいあるいは懐かしい海辺を紹介する。海はすべての生物の母である。
 私たちが海に懐かしさややすらぎを感じるとしたら、それは祖先の記憶として私たちのDNAの中に組み込まれているに違いない。この写真集がレクイエムとならないように私たちも祈りたい。

ISBN4-931376-19-3 C0021

『鹿児島戦後開拓史』

荒野に生きた先人たち


南日本新聞社編 四六判 278ページ
定価1890円(本体1800円+税)
戦後、食糧事情が悪化する中、糧を得んと山野に挑んだ人々がいた。265の開拓地に3万人。本書は、満州移民政策を盛り込みながら、与論開拓団、開拓畜産、高原酪農を軸に戦後開拓の実像を明らかにする。「生きること」の原点を標す。

ISBN4-931376-21-5 C0645

『琉球弧・野山の花 from AMAMI』

太陽の贈り物


片野田逸朗著 大野照好監修 A5判 221ページ
定価3045円(本体2900円+税)
東洋のガラパゴスと呼ばれる奄美。亜熱帯気候の奄美は植物も本土とは大きく異なっている。生き物が好き、島が好きな人にとっては宝物のようなカラー植物図鑑が誕生。555種類の写真の一枚一枚が、奄美の懐かしい風景へと誘う。

ISBN4-931376-25-8 C0039

『新版シマ ヌ ジュウリ』

奄美の食べものと料理法


藤井つゆ著 B5判変型 238ページ
定価5040円(本体4800円+税)
第7回南日本出版文化賞、受賞から20年、待望の新版が復刊。奄美の郷土料理を集成した本書は、長く絶版のまま伝説の名著と評されてきた。シマの身近な食材を使った伝承料理160品目を民俗写真とともに紹介。クワ・マーガヌタム。

ISBN4-931376-26-6 C0021

『聖堂の日の丸』

奄美カトリック迫害と天皇教


宮下正昭著 四六判上製 458ページ
定価3780円(本体3600円+税)
戦前、奄美大島で4000人のキリスト教信者が強制改宗させられた。大島高等女学校(純心学園の前身)も開校10年で廃校。軍、報道機関は迫害に何をもくろみ、なぜ大衆は狂気に走ったのか。歴史の闇を南日本新聞記者が白日にさらす。

ISBN4-931376-07-X C0030

『奄美、もっと知りたい』

ガイドブックが書かない奄美の懐


神谷裕司著 四六判 336ページ
定価1890円(本体1800円+税)
クロウサギと珊瑚礁の海だけが奄美ではない。大和と沖縄の狭間で揺れてきた歴史をはじめ、民俗、文化、風俗、自然、宗教等、独自の深さと広さをもつ。ガイドブックが書かない奄美の今を浮き彫りにする。著者は、朝日新聞記者。

目次●第一章ノロとユタ/第二章薩摩と琉球/第三章島唄と新民謡/第四章島尾敏雄と田中一村/第五章 自然と開発/第六章ヤスとトク/第七章紬とサトウキビ…など
書   評
● 日本経済新聞97・7・3「この一冊」
 新聞社の名瀬通信局長として奄美大島に勤務した著者が、「奄美のいま」を鮮やかに描き出した。
 「二項の対立、矛盾、調和から奄美を見た」と語る著者が、本書で取り上げたテーマは「薩摩と琉球」「自然と開発」「ヤス(保岡興冶衆院議員)とトク(徳田虎雄前衆院議員)」など。
 「島唄(うた)と新民謡」の章では、独特の裏声を使いシマクチ(奄美方言)で歌われる伝統的な島唄と、戦後に花開いたヤマトグチ(共通語)主体の新民謡を並べて描き、方言撲滅運動にさらされた同島の歴史を浮かび上がらせる。
 「ヤマトンチュ(本土の人間)が見た奄美のガイド、入門書」(著者)としてだけでなく、筋金入りの奄美ファンにも楽しめる一冊だ。

● 南日本新聞97・7・6書評
 沖縄のさまざまな魅力にひかれ、ときに抜き差しならない関係になるヤマトンチュ(本土の人)のことを「沖縄病」という。奄美のことで似た状態は「島酔い」と表現される。
 1994年4月から97年5月までの三年余、全国紙の記者として自ら手を挙げ赴任した著者が、「島酔い」にならないはずがない。本書は、そんな島酔い記者の目に映った“現代版奄美風土記”である。

● 南海日日新聞97・6・26書評
 三年間の現地取材が元ネタだから当然ブイン(新鮮)そのもの、切り口も本音でズバリ鮮やかだ。そのうえ読みやすい。たとえば、「奄美以上の離島苦にさらされたのがトカラ列島だ」「奄美の人たちには、沖縄に対する二律背反的なものを感じる」「優しさとはうらはらの過酷さ、内に閉じた集落の排他性」「政争の激しさも奄美の文化の一つ」「大島紬はなぜか悲しい」「焼酎で乾杯を!」「味はやや落ちる魚が多かった」「『優しさ』こそが奄美の最大の魅力」等等、シマの地鳥とは異質の、旅鳥固有の視線や表現に出くわすごとに、彼がシマの留鳥と組まずに一人で自由に飛んだのはほんとに良かったと思うのだ。
 本書巻末の約100冊の参考文献と、251人の人名索引は、神谷さんの奄美での自画像を映し出すものだ。(森本眞一郎)

第1巻 ISBN4-86124-018-2 C0039
第2巻 ISBN4-86124-019-0 C0039
第3巻 ISBN4-86124-028-X C0039

『鹿児島県の伝統文化シリーズ 全3巻』


下野敏見著 A5判上製 
総頁数1320ページ(各巻440ページ)
全3巻定価 15120円 各巻定価5040円(本体4800円+税)


第1回柳田国男賞を受賞。
南九州民俗学の第一人者、下野敏見。
50年の研究がここに結実。

推薦人■
赤嶺政信 琉球大学教授
池田 弘 池田小・中・高、学園長
井元正流 種子島を語る会会長
上江洲均 久米島自然文化センター館長
小川学夫 日本歌謡学会理事
川野重任 東京大学名誉教授
倉石忠彦 国学院大学教授
佐野賢治 神奈川大学日本常民文化研究所教授
田邉 悟 日本民具学会会長
津曲貞利 日本ガス常務取締役
所崎 平 鹿児島民俗学会代表幹事
中村明蔵 鹿児島国際大学教授
永松 敦 九州民俗学会会長
濱里忠宜 鹿児島純心女子短期大学副学長
日高 旺 元南日本新聞社社長
福元忠良 川内郷土史研究会会長
二見剛史 鹿児島県文化協会会長
真鍋隆彦 鹿児島大学名誉教授
山口保明 宮崎県民俗学会会長
山下欣一 奄美沖縄民間文芸学会会長
渡辺伸夫 民俗芸能学会評議員


著 者
下野敏見(しもの・としみ)
1929年、鹿児島県知覧町に生まれる。1954年、鹿児島大学卒業。鹿児島県内各地高校教諭をへて鹿児島大学教授、鹿児島純心女子大学教授を勤む。現在、鹿児島純心女子短期大学非常勤講師。文学博士(筑波大学)。鹿児島県文化財保護審議会委員、鹿児島民俗学会顧問、鹿児島民具学会会長、隼人文化研究会会員、九州民俗学会顧問、日本民俗学会評議員、日本民具学会会員、民俗芸能学会会員。第1回柳田国男賞受賞。第52回南日本文化賞受賞。





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